オーナー様向け 無料研修会

株式会社三建で不動産を管理させていただいているオーナー様に対して、日頃からの感謝の気持ちを込めて1年に1~2回の予定で無料研修会を開催しています。

 

次回の三建研修会は、2024年6月15日です。

 

■第9回 三建研修会
令和5年6月17日(土)14時~  Zoomによるオンライン

第9回目となるオーナー様向けセミナーを開催しました。コロナが5類となり、今回は久しぶりに中野サンプラザで開催しようと思っていたのですが、サンプラザが7月の初めに閉館となるため、6月の予約が一杯だということで、今回もZoomにて開催することになりました。

 セミナーでは「そもそもインボイスとは何か?」という説明から始めました。「インボイス=適格請求書」のことですが、これがないと借主様が仕入れ税額控除ができないことになります。

 そもそも消費税に関しては、例えば、月11万円の店舗の賃貸借契約書に「税込」と書かれていたとしても、書かれていなかったとしても、借主様の経理処理としては、10万円は賃料、1万円は消費税として経理処理をしています。本来、消費税は預かっているものなので、原則として貸主様は、借主様から預かったこの消費税を国に1万円納付するということになっています。なので、11万円で貸していたとしても、大家さんの実質的な収入は実は10万円ですよ、というのが消費税の原則です。

 消費税は課税売上となる賃貸に対して納付義務が発生します。店舗、倉庫、事務所、駐車場等を貸している場合が対象となります。居住用のアパートや土地を貸しているオーナー様については非課税ですが、アパートの一室を事務所として貸している場合は、その部屋だけが課税対象となってきます。

 中には、「そもそも消費税はもらってないよ」という認識の方もいると思います。消費税は、個人については2年前の課税売上に関して、法人については、2年前の事業年度の課税売上が1000万円を超える場合、課税事業者となってきますが、年間1000万に満たない方は、消費税分は納めなくていいという決まりがあります。しかし、貸主様が「消費税を納めてないのでもらってないよ」と解釈したとしても、借主様からすると「税込で払っている」という認識ですし、実はもらっていることになります。

 今回のインボイス制度によって、オーナー様がインボイス登録をするかどうかによって、借主様の消費税の取り扱いが変わってくることになります。

 セミナー終了後の質疑応答コーナーでは、ご参加いただいたオーナー様から多くの質問をいただきました。三建では、個々のオーナー様の状況に合わせてアドバイスをさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 動画では、本セミナーのまとめを抜粋しました。ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

■第8回 三建研修会
令和4年12月17日(土)14時~  Zoomによるオンライン

第8回目となるオーナー様向けセミナーを開催しました。

「公的評価から見る不動産市況」

***要旨***

・現在は地価公示の1.2倍から1.5倍の相場感で市場が動いている

1月1日時点の地価公示価格について、私も現在、地価公示の査定員として、令和5年1月1日の地価公示を今査定している段階ですが、この価格が売買の指標として100%の価格だとすると、同じく売買の指標となる都道府県地価調査は100%となります。また、相続税の路線価格は地価公示の約8割、固定資産税のもととなる固定資産税評価額は地価公示の7割と言われています。ご自分の土地の価格を求めたい時は、この路線価格を0.8で割り戻して、平米数を掛けると大体土地の相場がわかってきます。ただ、現在は地価公示の1.2倍から1.5倍ぐらいの相場感で市場が動いているという実態があります。

・東京都内の地価は微増傾向

直近では7月1日時点の地価調査が発表されています。令和3年7月1日時点の価格は郊外は微減、都心部は据え置き、もしくは微増の傾向が多かったですが、令和4年7月1日では、23区内では2~5%地価が上昇しています。周辺の市の一部に関しても、据え置きから微増傾向にあります。

住宅地の価格は都心部は微増傾向、商業地は、去年は23区内でも微減箇所がありましたが、今年は住宅地と同じぐらいの微増傾向にあります。中央区銀座あたりは据え置き傾向ですが、その周りは2~5%ぐらい商業地が上がっています。

土地の相場としては今かなり上がっている状態です。例えば、野方の土地の坪単価を見ても5年前ぐらいで坪150万ぐらいだったのが今年は坪200万ぐらいで取引されています。また、戸建て住宅に関しては、10年前くらいは新築で5000万円台だったのが、今では8500万円というのが出ています。戸建住宅はそのぐらい市況が上がっています。

・中古マンション、中古住宅は供給が減り、価格が上昇

レインズ(不動産業者専用のサイト)によると、中古マンションの取引実態は前年同月比に比べて取引件数が下がっています。市場に出物が非常に少ないため、供給が少なくなって、価格が上がっている状態です。中古戸建てに関しても同様です。

・建築費も上昇が続く

建築費もかなり上がっています。例えば、集合住宅のRC造については、2011年を100とすると、現在大体50%上がっています。鉄筋重量鉄骨の共同住宅の建築費を坪単価で換算すると、150万円/坪ぐらいします。軽量鉄骨でも120、130万円/坪、木造でも100万円/坪くらいします。「ウッドショック+アイアンショック」とも言われてますので、鉄骨も鉄筋と同じくらい50%増となっています。つまり、今は買うにはかなり高値というところであり、売り時ではあるけど買い時ではないのかなというイメージです。

・この年末年始が価格のピークとなる可能性も

不動産投資家調査(日本不動産研究所が発行している投資家調査)によると、Aクラスビル(何千平米という建物)の利回りを見ると、丸の内大手町では今年の4月から10月までの半年間で0.1%下がっています。1999年から比べても利回りが下がっており、つまり価格が上がり続けているということになります。

ワンルームの利回りを見ても、2004年から2022年にかけて3.9%減、つまり利回りが下がると価格が上がるという逆相関の関係にあるので価格は上がり続けています。同タイプの基本利回りは本調査開始以来、初めて4%を下回ったということで、今はバブル期以降でもっとも価格が高い時じゃないかなと思います。

また、投資家の意識調査によると、去年からずっと「現在がピーク」という回答が続いています。つまり投資家はいつ市況が崩壊してもおかしくないと思っているのがこちらで読み取れます。来年以降、利息も上がってきて住宅ローンを組みにくくなるという状態がある中で、年末年始ぐらいが価格のピーク、来年の中盤以降はもしかしたら価格が下落傾向になっていくんじゃないのかなというのが私の見解です。(三建代表・小川)


■第7回 三建研修会
令和4年6月18日(土)14時~  Zoomによるオンライン

「地価公示から見る不動産市況」
㈱三建 代表取締役 小川征誠

まず、㈱三建代表・小川より、「地価公示から見る不動産市況」をお話しさせていただきました。

[まとめ]
東京都内の不動産市況に関する現況についてのまとめです。

  • 住宅地は微増傾向
  • 商業地は微増傾向(中央区、新宿区など一部を除く)
  • (取引の実態として)戸建住宅、マンション販売は好調
  • 商業事務所ビルへの投資は消極的(大型店舗が入っている商業ビルはまだ空室が目立ち、銀行の融資意欲も落ちている)
  • 共同住宅への投資は積極的

[概要]
2022年1月1日現在の地価公示価格が3月23日に公表されましたが、今年は全体的に微増傾向となりました。公示地価日本一の銀座・山野楽器さんの土地は、上昇率が前年比マイナス1.1パーセントで、コロナの収束感が出ているのか、減少幅は縮小しています(前年はマイナス7.1パーセント)。
中野駅南口は、去年は前年比横ばい、今年は4.5パーセント増。これは中野駅周辺の再開発(アリーナ、中野区役所等の建設予定)に対する期待値がかなり込められているのではないかと思います。中野はコロナ禍においても減少がありませんでした。今回の発表でも、東京都内の商業地の上昇率が一番高かったのは中野です。¥ 弊社のある中野区野方は、野方駅北口にある公示地が昨年は前年比マイナスだったのが今年は上げ基調に転じました。中央区銀座、新宿歌舞伎町はマイナスですが、中心部以外の地域は、商業地に関しても微増傾向になっています。
また、中古マンションや中古戸建の市場価格も今年は上昇傾向にあります。
一方、建築コストはウッドショックと合わさって、去年の五月より木造は10パーセント以上、RC造でも7パーセント以上も建築単価が上がっています。さらに更地の価格も上昇しているため、野方における新築戸建住宅の相場が5年くらい前は5~6千万円だったのが、現在は約8千万円にまで上昇しています。新築住宅の購入を検討されている方は、住宅や建材の価格が落ち着くまで待ったほうがいいかもしれませんね。

「インボイス制度」について
うるの税理士事務所 代表税理士 沽野雅一様

税理士の沽野先生は、資産税専門の税理士事務所に所属していた経験もあり、不動産オーナー様・地主様向けの相続対策、相続税申告、遺言の作成、家族信託の組成、所得税・法人税の節税提案といった対策コンサルティングに豊富な実績をお持ちです。
今回は、令和5年10月1日から始まるインボイス制度に関して、不動産オーナー様への影響と対策についてお話いただきました。

[要旨]

  • 不動産に関する消費税(現行)

現行の税制では、課税事業者と免税事業者がいます。個人事業者であれば2年前の売上が1千万円を超えているかによって、今年の納税義務が発生します。超えていない方は免税業者となって、消費税は納めなくていいということになっています。
課税事業者は、預かった消費税額から支払った消費税額を引いた残りを国に納税します。
不動産の場合の課税対象としては、店舗・事務所・倉庫の賃貸収入、駐車場の賃貸収入、太陽光発電収入、アンテナ基地局の収入、賃貸建物の売却収入などがあります。
インボイス制度は、賃借人が集合住宅などの家賃は非課税のため、住宅のみを賃貸しているオーナー様には影響がありません。しかし、賃借人が法人で、店舗・事務所・駐車場などを貸しているオーナー様には影響があります。

  • インボイス導入による影響

現行の税制では、賃借人が課税業者である法人の場合、店舗賃料の支払い時に預けた消費税など、仕入れにかかる消費税はすべて納税の際に控除できます。オーナー様が免税業者であったとしても、賃借人は契約書や領収証により消費税を負担したことにできているわけです。
ところが、令和5年の10月からは、もしオーナー様がインボイス登録をしていない場合にはこの控除ができなくなってしまいます。10万円の賃料と消費税1万円を支払っている賃借人は、この1万円を消費税納税の際に控除できなくなるため、実質的に1万円の賃料値上げとなってしまい、オーナー様に対してインボイスの登録を求める、あるいは、消費税抜きの賃借料で再契約を求める可能性が高くなってきます。

  • 不動産オーナー様における対策方法①

「インボイス事業者として登録し、簡易課税制度を選択する」

オーナー様がどのような不動産収入を得ているかによって対策も変わってきますが、これまでの経験でベターだと思われる対策をご紹介します。
一つ目が、インボイスの事業者として登録することです。これにより、これまで消費税の免税業者であった方も課税事業者となりますが、併せて「簡易課税制度の選択」を行うことで、納税額をより低く抑えることができる場合があります。
この簡易課税制度は業種によって控除額が定められており、不動産賃貸業の場合は、「受け取った消費税の40パーセント」が控除額となります。
不動産賃貸業は基本的に経費がかかりづらい事業といえます。消費税がかからない経費でみると固定資産税と減価償却費はかからないので、それを除くと売上の20パーセント、多くても30パーセント以内に収まってしまうと思われます。それよりはこの簡易課税制度を使って40パーセントを控除したほうが納税額は抑えられるということで、不動産賃貸業の場合は圧倒的に簡易課税が有利だと思います。
(注)不動産オーナー様によっては、簡易課税を選択しない方が有利な場合がありますので、詳細は顧問税理士様等にご相談ください。

  • 不動産オーナー様における対策方法②

もう一つのパターンとして考えられるのが、消費税抜きの金額に賃料を改めることです。コンビニなど大手企業に店舗を貸している場合などは、おそらく減額交渉があると思われるので、インボイスの事業者登録をするか、賃料を下げるかということになってきます。ただ、①の簡易課税を選択したほうがおそらく手元に残るお金は多くなると思います。

尚、駐車場を貸していて、賃借人がサラリーマンの方のみの場合は、サラリーマンの方にはインボイスの影響は一切ありませんので、賃料をそのまま据え置くということも考えられます。

 

◆質疑応答

Q 貸家、アパートなどがすべて居住用である場合、インボイス制度は関係ないという認識でいいか?
⇒ はい。まったく課税売上がない方に関しては登録する必要性はありません。

Q 1階が店舗や事務所で、2階、3階を居住用で貸している場合は、1階部分に影響がある?
⇒ はい。もしインボイスに登録しないのであれば、賃料の減額交渉が生じる場合があります。

Q 20台程度の駐車場をすべて個人に貸している場合は、影響が少ないと考えられる?
⇒ はい。その場合は影響が少ないと考えられます。
Q その駐車場を法人にも貸していく場合、法人が「仕入れ税額控除をしたいので、インボイスを登録していない貸主からは借りない」という判断になるリスクはあるか?
⇒ 実際には公表している賃料よりも高い賃料を払うのと同じ意味合いになってしまうので、近隣と比べてそれでも安ければ借りると思いますし、同じ額でインボイスを受けられる駐車場があればそちらを選ばれてしまうという可能性は出てくると思います。

Q 駐車場の借主が法人でインボイスを受けられないとなった場合、その法人の会計処理としては全額を経費として扱うことになるのか?
⇒ はい。税抜きで2万2000円の駐車場を借りているのと同じ計算になると思われます。

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以上、沽野税理士にインボイス制度の影響について解説していただきました。店舗や事務所を借りている法人様からすると、インボイス登録した貸主としていない貸主が混在すると、経理的作業も増えるので、登録した貸主としか契約しないことも考えられますし、個々のオーナー様の状況によって対策が変わってくることがよくおわかりいただけたと思います。
三建では、不動産オーナー様それぞれのご事情に合わせた効果的な対策づくりのお手伝いをしています。また、沽野税理士をはじめとした、不動産コンサルティングに定評のある先生方をご紹介しています。ぜひご相談ください。
コロナ禍がだいぶ落ち着いてきました。一日も早く、対面での研修会を再開できることを祈りつつ、引き続き有意義な研修会を開催できるよう精進してまいります。(小川)


■第6回 三建研修会
令和3年6月19日(土曜日)14時~  Zoomによるオンライン

三建が管理をさせていただいているオーナー様向けの無料研修会。今回もzoomを使ってのオンラインセミナーとなりました。今回は海外や都外から参加してくださる方もいらっしゃっいました。

まず、私、㈱三建・代表の小川より、「新型コロナウイルス感染症による地価への影響」をお話しました。

まとめとしては、
① 住宅地は横ばい傾向
② 商業地は下落傾向
③ (取引の実態として)戸建住宅、マンション販売は好調
④ 商業事務所ビルへの投資は消極的(事務所ビル、大型店舗が空くと、半年間程度は平気で空いてしまう)
⑤ 共同住宅への投資は積極的
⑥ ウッドショック、生産緑地地区問題

…といったことをさまざまな資料をもとにお伝えしました。

続いて、司法書士法人ミラシア・行政書士事務所ミラシア 代表、株式会社ミラシアコンサルティング代表取締役の元木 翼先生より、「認知症対策の切り札!今日から始める家族信託!」というタイトルでお話いただきました。元木先生は、フジテレビ「とくだね」などメディアへの出演も多く、わかりやすく家族信託のメリットを説明してくださいました。
***元木先生のセミナーの要旨は以下の通りです***

「人生百年時代」と言われるようになり、今までは考えられなかった問題が出てきています。それは、「判断能力の低下」が起きてから「相続が発生するまで」の「財産の管理」。お金が引き出せなくなってしまったり、不動産の売却や管理が出来なくなるという問題が出てきているのです。

財産の生前対策で最も重要なことは、「元気なうちに行う」ということです。当たり前のことのように思われるかもしれませんが、我々専門家のところに相談に来るケースの大体「3割」が、すでに認知症になってしまっていて、そうなると家族信託や遺言などの対策が何もできない、ということになってしまうのです。

 

認知症を発症し判断能力がなくなると、法律上の行為ができません。

× お金の引き出し、定期預金の解約
× 不動産の売却、リフォーム、建て替え、修繕、借入
× 生前贈与、生命保険、不動産を活用した相続税対策

・・・こういったことがすべてできなくなるのです。

もし事前に対策をしてなかった場合は、「成年後見制度」を利用するしか方法がありません。

成年後見制度は裁判所の制度で、判断能力がなくなった人を保護するために、裁判所が代わりに財産管理をしてくれる人を選ぶ、ということになりますが、最近では以下のようなデメリットも指摘されています。

 

[成年後見制度のデメリット]
・財産が裁判所の監督下に置かれるため、本人の生活のためにしか使えない。
・後見人に専門家(弁護士、司法書士など)が選任される可能性があり、家族が自由に選べない。
・専門家がなる場合には、月に2万~4万円ぐらいの費用がかかり(財産にもよる)、それが亡くなるまで続き、途中でやめることもできない
・税金対策が一切できなくなる
・財産を守ることが目的(ロックされるイメージ)なので、好きに財産は使えなくなり、何にいくら使ったかを裁判所に定期的に報告する必要がある

成年後見制度にはいい面もありますが、同居しているお子さんが近くにいるケースだと、どちらかと言うと利用すると「負担の方が大きい」とされてます。

そこで、「もし親や家族が認知症になっても、家族だけで財産の管理ができる仕組みがないのか?」というニーズが高まっているのです。

「家族信託」とは
家族信託のご相談に来られるご家族の、典型的なケースをご紹介します。

父・82歳、母・78歳、子・二人。父が自宅で転倒して骨折して以来、人と会う機会が減り元気がないというケースです。高齢者の場合は、コミュニケーションの機会が減ると認知機能が低下します。(最近、コロナ対策で外出を避けている高齢者が増えていますが、家族が久しぶりに会ったら一気に認知機能が低下しているケースも多くあります)

そこで、お父さんの認知機能が低下してしまう前に、その財産の一部、または全部をお子さんに管理してもらうのか、ということを決めるわけです。そうすれば、認知機能が低下しても、お子さんが不動産の手続きやお金の管理ができるという仕組みが家族信託です。

わかりやすいイメージとしては、お父さんの財産が入っている箱があるとします。そのカギはお父さんしかもっていませんから、お父さんの認知機能が低下すると、誰もその箱を開けることができず、財産が凍結されてしまいます。そこで我々専門家が「新たな箱」を作って、その中にお父さんの財産を入れ、その管理をお子さんが行う、というイメージです。あくまで、「箱の中の財産はお父さんのものであることは変わらない」ということです。

「生前贈与」や「遺言書」との違い
生前贈与すると、財産は当然、お子さんのものになります。お子さんがお父さんの財産を、お父さんのために使わない可能性もあります。また、もしお子さんが先に亡くなってしまった場合は、お子さんの相続人(夫、子など)に相続されることになってしまいます。さらに贈与税や不動産取得税などの税金もかかります。

遺言書はあくまで亡くなったあとに自分の財産を誰に承継させるのか、そこだけがポイントになります。言い換えると、亡くなる前には何の効力もないので、「娘に財産をあげる」と言っていても、お父さんが生きている間は、娘さんは何もできないということになります。

本日のまとめ

① 認知症によって財産が凍結するリスクがある
→預貯金が引き出せない、不動産が売却できない

② 何も対策をしていないと、成年後見制度を利用するしかない
→ 家庭裁判所や専門家により親の財産が管理される、ランニングコストもかかる

③ 家族だけで低コストで財産を管理するには家族信託がおすすめ
→家庭裁判所や専門家ではなく、家族が財産を管理する。かかるのは初期費用だけ

不動産オーナー様の場合は、ご自宅など特に売る必要がないものについては、あえて信託する必要はないと思いますが、「収益物件」の場合はいろんなイベントがあり、その都度、判断能力が必要になりますので、やはりリスクは高いと言えます。そのリスクに対してどう対応するのか?ということを、一度はお考えになっておいた方がいいと思います。

また、今回は認知機能低下ばかりを例にしましたが、脳卒中などで急に倒れてしまって寝たきりになった場合もまったく同じことが言えます。

家族信託は初期費用もかかりますし、「あえて権限を移してまでやるか?」ということはさまざまな考えがあると思いますが、手遅れになる前にぜひご家族でご検討ください。

***セミナーの要旨は以上***

元木先生によるセミナー終了後は、オーナー様へのセミナー参加特典として、「90分間無料個別相談」を実施しました。
三建ではこれからもオーナー様のお役に立つ充実した無料セミナーを実施してまいります。どうぞご参加ください。

 


■第5回 三建研修会
令和2年10月10日(土曜日)14時~  Zoomによるオンライン

今回のテーマは「笑顔相続を実現するために」。

最近は新型コロナウイルスに感染し突然入院し、そのまま亡くなったという話をよく耳にします。家族とも話し合っていない、遺言書も準備していないとなると“争族”になりかねません。残されたご家族も「誰に相談していいかわからない…」ということも多いようです。今からで

きることをはじめていただきたいという思いで、相続診断士の清板先生にご登場いただきました。

今回の講義では、

1 相続相談、対策をするタイミングはいつ?

2 ご自身の相続の悩みを知る!「相続診断チェックシート」

……この2点について解説がありました。

 

1 相続相談、対策をするタイミングはいつ?

(要旨)

それぞれ個々に抱えている問題が違うので、ご自身が何が問題になっているのかに気づいていただきたい。日本では毎年約50兆円が相続資産として動いており、その半分を土地家屋が占めています。

「遺言の作成理由」と「時期」について。理由で一番多いのは「相続対策、相続の争いを避けるため」。以下、「特定の財産をあげたい人がいる」「平等に相続させたい」「相続に差をつけたい」などが上がります。

作成した遺言の種類は、自筆証書遺言書が4分の3を占めます。

 

相続対策ってそもそも何の対策?

(要旨)

「遺産分割」「納税資金があるか」「どうやったら節税できるか」……など、思い浮かべたものがそれぞれ違うはず。介護や認知症への備えも大切で、終活に関わってきます。

 

元気なうちが備えられるタイミング‼︎

(要旨)

「万が一、自分が介護してもらうときはどうするか?」「亡くなった時の葬儀は?」「お墓は?」「亡くなったときの事務手続きは誰に依頼したらいいのか?」……。元気なうちに、思い立った時が相続対策を始めるベストタイミングです。

 

2 相続診断チェックシート

相続対策の検討は”思い立った時がタイミング‼︎“ということが理解できました。

ここで参加してくださった方々に事前にお渡ししておいた「相続診断チェックシート」について説明がありました。今回はご要望があった方に診断結果をお送りします。

 

チェック項目は、
・相続人に長い間連絡が取れない人がいる
・相続人の仲が悪い
・親の面倒を見ている子供と見ていない子供がいる
・上場していない会社の株式を持っている
・分けることが難しい株式を持っている
・財産が何があるかわからない
・財産に不動産が多い」

……など、20項目あります。「あるある」と感じる項目も多いはずです。そういう方は、思い立った時がタイミング! ぜひ診断を!

 

相続問題を得意としている士業に繋ぐことも相続診断士の役割

(要旨)

相続診断士は「生前対策」と「死後の整理」を取りまとめて扱いますが、フィナンシャルプランナー、弁護士、司法書士、税理士など、相続問題を得意としている士業とチームを組んで行うこともあります。

「生前対策」としては、エンディングノートの作成、保険、家族信託などがあります。

「死後の整理」には、遺言書がちゃんと執行されるための遺言執行者の指定、遺産分割協議、各種年金の手続き、各種登記の申請手続き、お墓(海洋散骨、樹木葬)、不動産の売却などさまざまな手続きに対応します。

相続診断士が悩みや疑問をお聞きし、必要に応じて専門家を紹介したりチームを組んで希望の実現にあたっています。

 

もっと大切なことは「家族に想いを残すこと」

最後にまとめとして「争族」と「笑顔相続」の分岐点についての説明です。

 

(要旨)

「相続税が払えればいいのか?」「遺産分割を平等にすれば笑顔になれるのか?」「誰のために、何のために相続をするのか?」……。人によって、遺産分割対策、納税資金対策、節税対策など取っておくべき対策が変わってきます。しかし、もっと大切なことは「家族に想いを残すこと!」「家族とよく話をすること」「遺言書やエンディングノートで明確な遺志を残し、伝える」ということです。

 

終了後、オブザーバーとして参加していた三建顧問の遠藤弁護士から以下のような指摘がありました。
・生前に不動産を売ってしまってお金を分けようという場合ならいいが、亡くなってから売却しようとなるともめる場合が多い
・「土地を持っていると管理の面でも面倒だからいらない」という相続人も増えている
・親の面倒をみている子とみていない子がいる場合、みていない子からするとかかった費用が見えにくくもめやすい。また、「親が希望したから私が面倒みていたんだ」「いや、そんなことはないはずだ」といったトラブルや、面倒をみている子が苦労する分、親の財産と自分の財産と混同している場合もあり、トラブルになることが多い。
・親が弱ってくると、誰にでも「あなたにあげるから」と言ってしまうことが多い。

……以上のような原因で争う事例が多いとのことでした。

弊社がお取引させていただいているオーナー様は、やはり不動産をどのように残すかということがポイントになるかと思います。「天国にはもっていけない財産を、誰にどのように残すか?」。ぜひ相続診断士のサポートを得て”笑顔相続“を実現していただきたいと改めて感じました。

三建不動産では、これからも不動産オーナー様のためになる講座を今後も続けてまいります。ご参加いただいた皆さま、清板先生、どうもありがとうございました。

 

 ■第4回 三建研修会
令和2年6月6日(土曜日)14時~  Zoomによるオンライン

コロナ禍による社会の混乱が続いております。弊社では、ここ数年、中野サンプラザに不動産オーナー様をお招きして研修会を行ってきましたが、今回初めて、オンライン研修会を実施しました。当日は、35名のオーナー様がご参加くださいました。お忙しいところ、誠にありがとうございました。当日の内容を簡単にご紹介します。

テーマ1
「新型コロナウイルスによる不動産業界への影響」

今回のテーマのひとつめが「新型コロナウイルスによる不動産業界への影響」でした。そこで、弊社店頭でのコロナ感染対策や「リモート内見」といった取り組みをご覧いただいてから、コロナ禍における消費の変化や日本の輸出額の推移など、「新型コロナショック」と言われる経済状況をご説明しました。

リモート参加の社会保険労務士・望月先生から、雇用調整助成金について説明がありました。会社は休業を余儀なくされ、社員の方々にとっても、休業中の給料として法定の最低ラインである6割の休業手当しかもらえないとなると、衣食住をはじめ、さまざまな側面で暮らしへの影響が生じています。

続いて、公益財団法人東日本流通機構(通称:東日本レインズ)月例速報2020年4月版をご覧いただきながら、マンション・戸建ての成約件数や平米単価の落ち込みをご説明しました。(オンラインなので、「細かい図表が見やすかった」という声をいただきました)

賃貸住宅の家賃の支払い遅延などがマスコミでも取り上げられていますが、ある統計ではでは、管理物件の6.2%に家賃滞納が発生しているというデータがあります。

弊社でも、2020年4月は、
①部屋探し 前年比80%減
②店舗探し 0件
③売買物件探し 0件(決まっていた案件はすべてキャンセル)
一方で、
④部屋賃料額要求 5件
⑤店舗賃料減額要求30件 ・・・という状況でした。

この状況に対し、借主様への補償制度はいろいろ出てきました。しかし、給付まで時間がかかるという大きな問題があります。
一方、オーナー様に対しては、家賃の減額を促す要請が政府からあったものの、後押しとなる補償制度等はまだまだ薄く、苦慮されている方が多いというのが大方の実態だと思われます。ただ、弊社の管理物件のオーナー様は、家賃の減額要請等に対して非常に理解がある方が多く、借主様は「本当に助かった」と喜んでおられたことをお伝えしました。
リモート参加の弊社顧問の榎本司法書士からは、「登記の動きも鈍っており、今は辛抱するしかない」というお話がありました。

「今後の賃貸物件経営の変化」

  • 案内、契約の方法が変わる・・・対面からリモートへの変化
  • 借主様の審査基準が変わる・・・水商売にお勤めの方への審査が厳しくなる傾向。

大家さんが借主様を審査する基準が変わってくる。

  • 借主様の物件探しの基準が変わる

賃貸物件のオーナー様にとっては、③が一番大事だと思います。というのも、最近、集合住宅でのクレーム内容がだいぶ変化してきているのです。皆さんが家で過ごす時間が長くなっているため、「上の階がうるさい」「パソコンの音がカタカタうるさい」「音楽がうるさい」など、音に対するクレームが増えています。

つまり、今後は、「木造より鉄骨」「鉄骨より鉄筋コンクリート」というように、遮音性能を優先した住宅選びに変化してくると思われます。実際に弊社でも、木造住宅に住んでいる方から「鉄筋コンクリートのマンションの空きはないか?」という問い合わせがありました。

また、今後、収入が厳しくなる中で、初期費用や更新料といった一時金が安い物件が選ばれる傾向が強くなると思われます。せっかく満室経営されていても、更新料が原因で退室されるということは防ぎたいものです。

さらに、「オートロックシステムのパネルをこまめに消毒しているのか?」など、コロナ対策の有無や頻度を気にされる方も増え、物件を選ぶ基準が変わってくると思われます。

これまでとは違う側面で、「転居理由を作らないことが重要!」であることを強調させていただきました。

今後しばらくは、その他の要因も含め、不動産経営が上向くのはなかなか難しい状況が続くと思われます。今できることは、不況の状態で我慢をし、満室経営を維持して、転居理由を作らず、なるべくキャッシュをためて、経済状況が好転してきたらすぐに投資できるような状況をつくることが大切です。これには、オーナー様、士業の先生方のご協力が必要です。皆様のご協力のもと、力をあわせて荒波を乗り越えていきましょう!

テーマ2
「2020年4月1日からの民法改正について」

今回のテーマのもうひとつの柱は、2020年4月1日に施行された民法改正です。コロナの影響でだいぶ隠れましたが、不動産経営に大きな影響がある内容が多く含まれています。

その中で、一番大事なポイントとして「個人保証の極度額」があります。民法の改正によって、今後、極度額の設定が不可欠になりました。保証額が明示されることによって人間心理が働き、保証人を引き受けることを嫌がる傾向が強くなると思われます。

(保証人に関しては、弊社では、「保証会社必須」ということでご案内しており、一部上場企業のジェイリース株式会社と提携しております)

その他、

・「家賃減額が、請求減額から当然減額へ(=賃貸受託に一部使用不能が発生したら、使用できなくなった割合に応じて減額される)」へと変わった点
・「賃借人の修繕する権利が明文化」された点
・「保証人へ借主の経済状況等を知らせる義務」ができた点

そして、新設された規定である

・「元本確定事由」について

……できる限りわかりやすくご説明しました。

弊社顧問の遠藤弁護士からは、賃料債権の「時効」の変更について「2020年4月1日以降に締結された賃貸借契約により発生した賃料については、新しい民法の時効制度が適用され、それより前に締結した契約により発生した賃料については旧民法の時効制度が適用される」と、説明がありました。

今回の民法改正が不動産業界に与える影響はかなり大きく、業界全体がまだ手探りで対応を模索している部分もありますが、弊社としてもなるべく早期に固めていく所存です。ご不明な点は、お気軽にご相談ください。

次回のオンライン・オーナー様研修会は
9月19日土曜日

(仮)「 “笑顔相続”の実現のためにすべきこと」

次回のオーナー様研修会もオンラインで行います。次回は、9月19日土曜日14時から、相続診断士・清板先生の講座を予定しています。

ご家族がお亡くなりになった時に、「相続などについて、どこに相談していいのかわからない」というお問合せが少なからずあるのが現状です。相続診断士は、そうしたときにご遺族に寄り添い、士業の先生などにつないでくれるパイプ役とも言えます。「笑顔相続」をどう実現するか?生前の対策も含めた、とてもためになる講座です。ぜひご参加ください。

 

最後に……

今回は初めてのオンライン講習ということで、一部画像や音声の乱れなどお見苦しい点がありましたが、皆様のご理解とご協力のお蔭でなんとかやりきることができました。内容についても「非常にわかりやすかった」というご感想が多く、スタッフ一同ほっとしております。次回以降もさらに有意義な研修会となるよう精進いたします。ありがとうございました。

※内容の一部を動画でご覧ください。

 


 ■第3回 三建研修会
令和元年5月25日(土曜日)14時~16時 @中野サンプラザ

三回目となるオーナー様研修会を開催しました。これまでは本降りの雨に見舞われていた研修会でしたが、今回は夏の日差しが照りつける快晴のもと、50名を超えるオーナー様にご参加いただきました。社員一同、心より感謝申し上げます。

さて、今回は、研修内容も大幅にバージョンアップしました。

まず、私、小川が不動産管理を法人化して行う場合のメリット・デメリットをお話させていただきました。法人化することで、「信用力の増大」「給与所得控除が使える」「家族役員に対する役員給与の損金算入」「赤字の繰り越し」「自宅の社宅化」「中小企業の税制優遇」「法人保険の経費化が可能」「家族役員に対する役員退職金の損金算入」といった、さまざまなメリットがあります。個人で運営されているオーナー様には、一度検討していただければと思います。

次に、日ごろお世話になっている家賃保証会社・ジェイリース㈱大野様より、家賃保証会社の仕組みとカバー範囲、そして今後、民法の改正によって、個人の連帯保証人様が守られる流れに変わっていくことなどを講演していただきました。すでに、弊社の管理物件において家賃保証会社と契約している割合は5割を超えており、オーナー様の意識の中にも家賃保証会社と提携するほうが有利だと考える方が増えています。

保険サポートの山下俊一郎様からは、特に、契約時期の古い保険が、近年増加している自然災害に対応しているのか、十分見直していただきたいという点をお伝えしました。もちろん、弊社に不動産管理をお任せいただいているオーナー様であれば、どこの保険会社のものであっても、契約内容のチェックをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

最後に、私が数年前からラブコールを送っていた「ビラパルマ」オーナー不破眞様にご登壇いただき、ご自身の経験をもとに培ってきた「空室をつくらないための努力とポイント」をご紹介いただきました。特に、「建物は新築→築浅→築古と変化していく。しかし、不動産管理会社や建築会社に丸投げするのではなく、オーナー自身が積極的に関わり、手間暇をかけて物件に手を入れていくことで、家賃をある程度維持しながら高い入居率を実現できる」というお話は、非常に説得力のある貴重なお話でした。終了後のアンケートでも高い評価をいただきました。

三建では、今後もオーナー様のニーズに応じながら、そして、時代を見据えた不動産経営に役立つ知識を選りすぐって、研修会を充実させていきたいと考えております。ご参加、ご協力いただきました皆様に改めて感謝申し上げます。

当日の講演内容をダイジェスト版としてアップしました。ぜひご覧ください!

研修会のダイジェスト動画はこちら↓↓↓


 ■第2回 三建研修会
平成30年5月19日(土曜日)14時~16時 @中野サンプラザ

第2回目となる三建研修会は、昨年より会場を少し大きくして約40名のオーナー様にお越しいただき、満員御礼にて始まりました。
株式会社三建専務取締役小川征誠、株式会社三建顧問司法書士榎本悟による2部構成の講演です。
小川征誠の講演内容としては、前回のアンケート結果で希望が多かった、今後の不動産経済について不動産に関する相続等について、という内容をお話しさせて頂きました。
榎本悟の講演内容としては、不動産取引における登記実務について、という内容を実際におきた事例に即してお話させて頂きました。
やはりオーナー様からの質問内容として多いのが、今後不動産の市況はどのように変動していくのか、具体的にはいつ頃下がり始めるのか、事業承継をするのだけれど税金はどのくらいかかるのか、相続税はどのくらいかかるのか、という内容です。今回の講演で、不動産鑑定士という立場からお話しさせて頂きました。次回の研修会においても内容を充実させてご提供できればと思います。

研修会のダイジェスト動画はこちら↓↓↓


■第1回 三建研修会
平成29年5月13日(土曜日)14時~16時 @中野サンプラザ

第1回目となる三建研修会は、約30名のオーナー様にお越しいただき満員御礼にて始まりました。
株式会社三建専務取締役小川征誠、株式会社三建顧問弁護士遠藤温子による2部構成の講演です。
小川征誠の講演内容としては、不動産の価格収益物件の選び方不動産賃貸業を行うに当たって、という内容をお話しさせて頂きました。
遠藤温子の講演内容としては、不動産賃貸トラブル裁判例訴訟になったときの心構え、という内容を実務に即してお話させて頂きました。
アパート、マンション、店舗、事務所と不動産の所有形態はオーナー様によって様々です。当社は中野区野方、西武新宿線野方駅に存する不動産屋として、地域密着を強みに、大家様のお役に立てるようにより一層邁進していく次第です。悩みを解決するのはもちろんの事、このような研修会を通じて大家様と共に成長できればと思っております。

研修会のダイジェスト動画はこちら↓↓↓

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